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2004年01月22日
魅力の裏側にある男女関係の危機! 海辺の家(1)
癌に冒され「余命、数ヶ月」と宣告された主人公が、残りの人生を息子とともに家作りにかける、父と子の「親子の絆」再生計画の物語です。
今日は、この物語の本筋からは少しそれますが、男女関係の心理学を学べる要素を紹介したいと思います。
この映画には、主人公のジョージ、別れた妻、ロビン、そして、ロビンの現在の夫のピーターが登場します。
そして、ロビンを中心に男女関係を見ていくと、そこには女性が男女関係で悩む問題がありありと描かれています。
それは、女性が男性に求める「ロマンチスト(感情)とリアリスト(理性)」のバランスについてです。
主人公のジョージはリアリストというよりもロマンチストタイプの男性です。その為、「女性(家族、子供)を愛する」ということにかけては抜群の才能を持っています。しかし、残念ながら、彼にはリアリストの要素がかけているので経済性や安定性が得意ではありません。それが顕著に現れるのは、彼が突然会社を解雇される場面です。
映画を見ると、ジョージとロビンは大恋愛の末、結婚したように思えますが、その結末は離婚でした。
そして、その次にロビンが結婚したのは、エリートサラリーマンのピーターです。ピーターと結婚して以来、ロビンは絵に描いたような幸せな家庭、幸せな家族生活を送っているように、外からは見えます。
家にプールがあり、素晴らしいキッチンがある邸宅に住んでいて、経済的にはまったく心配がありません。ロビンは彼女がジョージからもらえずに、不満に思っていたものをピーターから得たのです。
◎絵に描いたような幸せな家庭にありがちな問題
しかし、家庭の平安を得た彼女にとっての問題や不満は
1.息子、サムが非行に走っていること
(これはまた別の機会に書きたいと思います)
2.夫が女性の感情や気持ちを理解できないタイプであるということ
夫のピーターは彼女の気持ちを理解できないために、彼女のニーズがわからないんです。その結果、ロビンは夫に対してロマンスや愛情を感じることができません。
何不自由のない生活をさせてもらって(←この”もらって”という感覚も鍵です)、人から見れば羨ましがられるような生活をしているのに、「幸せを感じることができない」という葛藤に苦しんでいます。
だから、映画の始まりの場面では、彼女はいつもイライラしています。そこでは、息子のサムが愛されているように感じられなくて、不幸せで非行に走っている感情と、ロビンが幸せを感じられないというのは、非常に似ているのです。
※ロビンが絵に描いたような幸せな環境で自分が満足できていないことを隠そう(抑圧)とすればするほど、それが息子(子供)に出てきます。これは家族の感情力学の一つです。
◎ロビンのプロセス
ロビンはロマンチストのジョージと結婚し、「愛し愛される喜び」のロマンスを満喫しましたが、
「でも、それだけでは幸せになれなかった・・・」
という痛みがあった為に、次の結婚にはピーターという経済力、豊かさ、安定、ステータスというものを持った「私を守ってくれる存在」を探し、ピーターと結婚しました。
そして、彼女は彼女の望みどおり守られたのです。でも、それは「つまらない」生活でした。それだけではなく、息子のサムが反抗的だったので、大きな惨めさや失敗感も感じていました。
「幸せになれると思ってピーターと結婚したのに、現実は・・・」
そんなロビンの前に登場するのが死を宣告された元夫です。
彼女は、元夫のジョージに非常に腹を立てています。ロマンスをあれだけ感じさせて、幸せになれる夢を見せてくれた夫。でも、その期待を裏切り、彼女を傷つけた夫にすごく大きな怒りをもっています。
でも、ロマンチストタイプの彼はそんなことは全く気にしません。彼女の運転する車に二人で乗っているときに、助手席に座ったジョージはロビンの髪に触れようとするんです。すると、彼女は
「やめてよ!」
といって、彼の手に噛み付こうとするんです。(笑)
そんな彼が、彼女に言うのは
「怒った君も、本当に綺麗だ」
というセリフです。
彼に腹を立てている間は、余計に腹が立つようなセリフですが、彼を愛しているときは、この手のセリフは女性にとってすごく愛されている感覚をもたらすんです。
他のタイプの男性は、こういうことがあると自分も怒ったり、もしくは引きこもったり、しょぼくれたりしますが、ジョージはそういうときこそ、彼女を愛するわけです。
女性はこういう愛情に弱いところがあります。
そんな彼は息子に手を焼いている彼女に
「僕が夏休み中、サムを引き取るよ」
というのです。その一方で今の夫、ピーターはサムのことを嫌っていて、まったく当てになりませんでした。そんな彼女にとっては、もうお手上げ状態の息子と2ヶ月間、はなれらるのは願ってもないことでした。
※ここでジョージの株が少し上がっています。(^^)
◎ジョージはリハビリ男
ロビンはジョージとの交流を通して、一度失った「恋するハート」を取り戻すプロセスに入っていきます。
ジョージが息子と一緒に家を作り、その家庭で息子の非行も収まっていきます。彼女が持っていた悩みを解決してくれたジョージに対してロビンは尊敬と愛を持ちはじめるのです。
そして、映画の終盤では彼に再び恋をし、その為ピーターとの夫婦関係がギクシャクしてきます。
※実際にピーターは自信をなくして、家出をしてしまいます。
ロビンはジョージとの関係でロマンスを取り戻しますが、彼はもうすぐ死を迎えることになっており、ジョージは彼女の手には入りません。
ロビンにとって、ジョージは失いかけていたロマンスをもう一度取り戻すきっかけを与えてくれた天使なのでしょうね。
そういった意味では、ロビンにとって完璧なロマンスや幸せを分かち合える人は、あの段階ではジョージではなく、別の誰かなのでしょうね。
◎男女関係での危機は魅力の裏側にある
ロビン、ジョージ、ピーターを通して男女関係を見てきましたが、カウンセリングをしているとほぼすべての男女関係の危機やケンカの裏側にあるのは、魅力の裏側にある正反対の要素です。
この映画で言うと、ジョージとピーターは正反対のタイプです。そして、ロビン望みとしては両方が欲しいんです。だから、片方を手に入れると、その裏側にある要素がないということが悩みになってしまいます。
「きっと彼からはもらえないだろうな」
という感覚が彼女をどんどん追い詰めていくのです。そうなると、はじめは彼女にとって魅力的だった、経済力、安定、ステータスなどが幸せを奪う城のようになってしまうんです。そして、これが、男女関係の危機に発展していきます。
そうなると、大抵、私たちは何かや誰かのせいにしたくなりますが、一番の問題は、ロビンが両方が欲しいということを自分に許していない、もしくは両方を手に入れることができないと思っていることです。
そして、その怒りを自分や息子やパートナーに向けていました。
でも、それを今の夫のピーターと向き合い分かち合ったときに、彼女の人生は動き出したのです。
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投稿者 yoshi : 2004年01月22日 21:19
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