カウンセリングスタイル 心理学とカウンセリングを使って豊かに生きる!

カウンセリングスタイル 心理学とカウンセリングを使って豊かに生きる! <発信者>心理カウンセラー北端康良&りか [サイトマップ]
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November 12, 2003

I am Sam : アイ・アム・サム(3) シャドーを統合すればギフトが手に入る

知的障害者の父親(サム)とその娘(ルーシー)の家族愛を描いた、とても心温まる映画です。人生で何が大切なのか、思い出させてくれる素晴らしい映画です。

I am Sam
I am Sam

この映画を弁護士、リタの視点から見てみましょう。


◎キャリアウーマン(自立女性)の最大の罠 デッドゾーン

周りから見れば、成功した弁護士のリタ。ブランド物のスーツを着こなし、ポルシェに乗り、分刻みのスケジュールでバリバリ働くキャリア・ウーマン。それが彼女のイメージです。

しかし、私生活では、家庭崩壊の危機に陥り、夫は家に帰ってこず、子供は言う事を聞かず、話も聞いてくれない。そんなストレスを山のように抱える彼女は、サポーターである分析医を避けながら毎日を過ごしています。

そんな彼女の前に、突然現れたのが知的障害者のサム。スターバックスで働き、わずかな稼ぎで何とか娘を取り戻そうとしている父親です。彼女から見れば、ぜんぜん美味しくないお客です。お金もなく、コネがあるわけでもなく、彼の案件をうまく解決したとしても、社内で評価されるわけではないからです。

そんな彼女の価値基準から見れば

「相手にする価値なし」
「上手に逃げたい相手」

リストのトップ10に入るのがサムだったでしょう。サムがリタにとって救いとなる日がくるとは思いもしません。

そんな彼女がサムの依頼を受けることにしたのは、「無料奉仕をする良い弁護士」というイメージ欲しさからでした。

ここに至って、私生活の崩壊が同僚にもバレ、金の亡者と思われていた彼女は、自分のイメージを取り繕えなくなっていたのです。

そこで、サムの依頼を受けることで自己イメージを回復しようとしていたのです。

しかし、残念ながら、彼女はキャリア・ウーマンに見られる自立女性の典型的な罠「デッドゾーン」にどっぷりとはまっていたのです。

◎防衛メカニズムは、避けたかったまさにその状況をもたらす

その罠の中にあっては、どんなに良いことをしても報われないのです。それどころか、さらにハードワーク、疲労感、燃え尽きへと突入し、大変だけれども、まったく実りのない状態が続いてしまうのです。

彼女が、幸せになるために、色々なものを犠牲にして、成功したにも関わらず、その結晶である手に入った現実を振り返ると・・・

夫の居ない家、会話のない親子、豪邸に一人ぼっち、忙しすぎる毎日・・・。

人生をやめたくなってしまうのです。それがヒステリック、薬に表れています。

「助けて欲しい!」という言葉をいえないために、どれほど苦しんでいることでしょう。

しかし、今の自分がその成功(犠牲)の上に成り立っているのを理解したときに、恐ろしくて、その成功(犠牲)を手放すことができません。その結果、さらにその成功を突き詰めようとし、どんどん深みにはまってしまいます。そして、気付いたときには、もう後戻りができないくらい、幸せから遠ざかっているように感じるのです。

これを「成功の法則が首を絞める」と言います。一つの成功の法則にしがみついてしまい、そこに中毒してしまうのです。そうなると、私たちは成功の法則に使われてしまいます。

彼女にとって、「成功することによって避けたかったもの」をまさに引き寄せる結果となってしまいました。それは「失敗者」という烙印です。「防衛メカニズム」は、避けたかったまさにその状況を引き寄せてしまうのです。

コンプレックスや怒りから始まった成功物語があるステージを越えると限界に達してしまい、まるで人生を転げ落ちるように転落してしまうのは、そのためです。補償行為によって獲得した自己イメージに追い詰められるからです。

その時に、

「私にとっての幸せとは何なのだろう?」

人生の目的をもう一度考える必要があったのです。それは、彼女にとって許しと平和のプロセスでした。


◎「コンプレックスをバネにする」は両刃の剣

「自分はダメだ」
「失敗者だ」
「コンプレックスの塊だ」
「醜い」

という観念を持つと、「そうでない自分」を証明しようとして、完璧な自分を作り出そうとします。「本当の自分=ダメな人」という間違った観念から、自分を抑圧し、拒絶しながら、成功の階段を上ろうとするのです。きっと、あの頂上まで行けば、報われるだろう。この不安がなくなるだろう。みんなから認められ、愛されるだろうと期待しながら・・・。でも、その階段の上には、昔、拒絶した自分が立っているのです。

そこからどれだけ逃げようとしても逃げ切れません。なぜなら、それは常に自分の中にいるからです。自分からは逃げられません。夫婦問題、子供の問題はすべて彼女の心の闇、シャドーの投影なのです。

そのシャドーを統合しない限り、この二つの問題は解決するどころか、より大きなものとなって私たちの前に立ちはだかるのです。

「私は実は失敗者なんじゃないか」

という潜在的な恐れはどんどん、大きくなってしまうのです。

恐れが私たちの中で増幅するのは、私たちの心の中にある抑圧された人格(感情)が、私たち(意識的)に気付いて欲しがっているからです。

周りに、社会に、友人に、親に、教師に、彼にバカにされたと思って強がってきた、弱い自分を許してあげることなのです。一番、自分を攻撃しているのは、誰でもない、自分自身なのです。

そして、サムはリタにとってのシャドー、影を完璧に映し出す鏡だったのです。


◎シャドーを統合する 戦いから平和へ

リタがそのことに気付くのは、サムとその娘を見てからです。彼女が持っている物(お金、地位、名誉)を何ももっていないサムが、娘からあんなにも愛され、必要とされている。その光景を見たときに、サムと自分のギャップを考えざるをえなくなったのです。

知的障害者のサムとやり手弁護士のリタは非常に対照的な存在です。コインの裏と表のような関係です。

サムは愛はあるけどお金はない、リタはお金はあるけど愛がない。

    サム  リタ
お金  ×   ○
愛   ○   ×

こんな感じです。

リタは自分にコンプレックスがあるので必死で頑張ってきました。しかし、その結果、自己否定から手に入れた宝物の上で苦しんでいました。自分を弱く、美しくない、コンプレックスの塊の嫌な女性だと思っているので、強く、自立した、美しい完璧な女性になろうと努力しています。

しかし、まさにその為に、夫に逃げられてしまいました。

「これ以上、一体どうしたらいいの?」
「私の何が間違っているって言うの?」

これがいつも、リタの疑問でした。

間違っていないことが間違っていたのです。
勝ち続けることによって負けていたのです。

しかし、常に戦い、勝つことによって自己の証明をしてきた彼女は、そのことに気付かないわけです。

彼女の身の周りのトラブルはそのやり方が、もううまく行かないというサインだったのです。

リタから見ればサムは間違いだらけの失敗した人生に見えます。絶対にああはなりたくないシンボルです。しかし、その彼には家族の愛がある。自分がずっと欲しいと思っていた、子供から愛される親になっている。

彼女はその違いが何なのか、考え始めます。
それは、ありのままの自分を愛すること。ありのままの息子を愛すること。戦うことをやめること。だったのです。

そして、自分のこだわりを捨て、本当に何が大切なのかを再発見するのです。

彼女がサムの前で、どうしようもない、ダメな自分をさらけ出した時点から、彼女の人生は取り繕う人生から、自由な人生に変わって行ったのです。プライドや世間体から解き放たれ、楽な自分になれたのです。

それは、サムや彼女の息子を受け入れるということでした。そして離婚を受け入れるということでもありました。

彼女にとって影(シャドー)であったサムを通して、自分自身を受け入れた時に、彼女自身が統合され、心の中の戦いも終わったのです。

Posted by yoshi at November 12, 2003 08:45 PM
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From: カウンセリングスタイル 心理学とカウンセリングを使って豊かに生きる!
Date: 2003.11.19

Comments

はじめまして、北端さん。
私は、以前にこの映画を観ていたんですが、まるでここに書いてあるような視点でこの映画を観ていたんです。主人公はサムとルーシーですから、いっしょに観ていた友達はそちらに視点がいっていたようですが、私はまさに女性弁護士リタの方に注目!
失恋、失職を機に、心理学に興味をもちはじめた時だったので、余計に皆とは違った視点で観賞できたのだと思います。ほんとに、心理学を学ぶと世界が広がりますね。
以前の私はまさにリタそのものでした。なにもかも失うのが恐くて離すもんかーともがいているうちに、すべてを失ってしまいました。しばらく、放心状態でしたが、心理学に出会い今思うのは全て失うことによって心理学に出会うスペースができた、ということだと思います。
自分の潜在意識が、自分自身を救ったのですね。でも、できればchachaさんなんかには、すべてを失う前に気付いてほしいな。
カウンセリングでもなんでも受けて、自分と向き合ってみて!
十分自分と向き合っているからこそ、頑張り続けているんだ と感じるかもしれませんが、なにも私みたいに最悪の結果を招いてから気付くことはない! 是非助けを求める勇気をもってみて!  どこの誰だか知らない人だけど、応援しているからね。もちろん私自身も幸せになる為、ゼロからやり直します。必ず幸せになろう。心から!

Posted by: 池 at December 1, 2003 05:34 PM

はじめまして(^^)、北端さん。

「うっ‥」心が痛いなぁと思いました。
はじめは、読んでいて、私はまだそんなことないかな。
な~んて、思っていたんです。
そんなに戦ってもいないし、あんなことと。
確かに映画になるくらいは、極端に描くこと
がありますし。
あれ?でも、なんか分るなって、どこかで思う自分がいるんです。似てるなって。(^_^;)

う~ん、どう書いたらいいか分らないけれど、
私って、「頑張る」がキーワードやなと。
恋愛でも、仕事でもなんでも、頑張る。
頑張ることは、悪くないけれど。
正直、疲れちゃいます。
仕事も頑張りすぎて限界が来て。
恋愛も頑張りすぎたせいかなんか逃げられモード。
分っているんだけど、頑張って今までいろんなものを手に入れてきたと思うから。

やっぱりまた、頑張って仕事も恋愛も手に入れようとしている自分がいるのかな。。

でも、頑張るのをやめたら、ほしいものが手に入らない気がする。

すごく怖い。すごくすごく怖い。その怖さに耐えられなくて、また頑張って、気が抜けない。

あ~、落とし穴。。

頑張るのをやめる。やめたい。やめるには‥のアドバイスありますか??

よかったら、お願いしま~す。
それと、観てみます。(^^♪

Posted by: らんこ at November 17, 2003 09:01 PM

はじめまして。
リタの生き方はよく理解できます。
今、わたしは、富と愛と両方を
手に入れつつあり
望んでいたことなのに
怖くて仕方ありません。
こんな私が幸せになれるのは
どうしたことだろうか、とどこかで
思ってしまうのです。
子の居る私との結婚を
躊躇なく選択してくれた彼のことも
そんなはずはないのではないか
いやしかし、と思う毎日です。
そして必要以上に自分に課題を課しています。
今は寝る時間も削って働いてみたり
婚約者に尽くしてみたり
生きることを全然楽しんでいない状況です。
きっと、こんな私といて彼も
くつろげないに違いありません。
また、どんなに頑張っても、彼はいつも
私の失敗を見つけては
くすくす笑うのですが
きっと、彼はそういう所も
愛してくれているのかもしれません。
頑張る事をやめることは
私にはとても苦しいことです。
冷静に考えて、いま、私は幸せで
信じるに値する相手に恵まれているというのに
彼を手放すことを妄想し怖れています。
ときには妄想が拡大します。
怖れは潜在的な自己からのメッセージだとしたら
わたしは何をすれば
この怖れ、また、強い自己否定から
逃れることが出来るのでしょうか。


Posted by: chacha at November 17, 2003 08:03 AM

キャリアウーマンと自称するにはおこがましいのですが、女は強くなればなるほど、不幸なのかな、と、思いかけていたところでした。
もっと上を、完璧を目指して、その上に結婚があると信じていた。だから、妥協のない、一流を目指して孤独に走り続けてきた。もうそろそろ上に手を伸ばしてもいいかなと思って、掴んだものは。。。。この映画、是非、見てみます

Posted by: ひまわり at November 16, 2003 10:28 PM

キャリアウーマンと自称するにはおこがましいのですが、女は強くなればなるほど、不幸なのかな、と、思いかけていたところでした。
もっと上を、完璧を目指して、その上に結婚があると信じていた。だから、妥協のない、一流を目指して孤独に走り続けてきた。もうそろそろ上に手を伸ばしてもいいかなと思って、掴んだものは。。。。この映画、是非、見てみます

Posted by: ひまわり at November 16, 2003 10:27 PM

キャリアウーマンと自称するにはおこがましいのですが、女は強くなればなるほど、不幸なのかな、と、思いかけていたところでした。
もっと上を、完璧を目指して、その上に結婚があると信じていた。だから、妥協のない、一流を目指して孤独に走り続けてきた。もうそろそろ上に手を伸ばしてもいいかなと思って、掴んだものは。。。。この映画、是非、見てみます

Posted by: ひまわり at November 16, 2003 10:27 PM

こんばんは、エンジェルさん。もしかして、会ったことや話したことがあるんでしょうか?そうだったら、再会できてとても嬉しいです。(^^)

I am Sam、是非みてください。ショーン・ペンの演技も素晴らしいですし、ストーリーも素敵です。

映画はとても好きなので、このコーナーばかり充実するかもしれませんが(笑)、いろんな映画についてかけたらと思っています。

Posted by: 北端 at November 13, 2003 10:20 PM

北端さん、こんにちは。
「はじめまして」と言うところですが、数年前にちょこっとだけお世話になったことあるんです・・・(^^;

「映画で学ぶ心理学」興味深く読ませていただいています。
また、違ったおもしろさを味わえますね。

「I am Sam 」見てみます。
もちろん、「マトリックス・レボリューションズ」も!(^^)

Posted by: エンジェル at November 13, 2003 05:14 PM
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