カウンセリングと心理学で「理想の仕事と恋愛、結婚、夫婦関係」を手に入れる!RSS  

2008年07月19日

ドラマ「監査法人の心理学」 理想、情熱、正義に向かって生きるリーダーを待ち受ける人生の罠

土曜ドラマが気に入って、今やっている「監査法人」も見ています。このドラマには理想、情熱、正義に向かって生きるリーダーを待ち受ける人生の罠が多数描かれ、学びと気付きがたくさんあります。

⇒ 監査法人 http://www.nhk.or.jp/dodra/kansahoujin/


ネタバレがあるので、これから見ようと思っている人は見てから読んでくださいね。

第1回目から見ているんですが、正義や理想に燃えるドラマなのでもっと明るい映像の撮り方をしてもいいのに、アイスブルーの色彩で、冷たく、暗く、重々しいイメージで撮影するということは、理想や正義を追求する過程で出てくるダークサイドに焦点を当てているんだろうと思いながら見ていました。


前回は社内クーデターが起こって、監査法人の理事長を若手実力者(小野寺)が追い落とし、乗っ取るという話でしたが、今回は、その続編。


私はカウンセリングの仕事をしてきて、人を癒す方法や人生に変化を起こす方法を学んできましたが、最終的には、人そのもの、また、人の思考、感情、また潜在意識や無意識の中にあるマインドの動きに興味をもって研究してきました。感情の力学やマインド(潜在意識や無意識)の力学を知らないと、癒しの法則もわからないからです。


その中で、1つのテーマとして、理想や正義に燃えてクーデターを起こす人、体制に対してチャンレンジするチャンレンジャーの心理の研究もしました。それは、ビジネスの相談でこの種のカウンセリング依頼がよくあるからです。そして、こういうタイプの人を研究していくと、興味深いことに、彼らは自分が追い落とした人と同じくらい、独裁的になる、ダークサイドに落ちる傾向が強いことがわかりました。

クーデターを起こす人が地位に着くと、「クーデターを起こされる不安」を持つようになります。追い落とす側だった自分が、今度は追い落とされる側になってしまうので、投影が起こるからです。

その結果、この種の多くのリーダーは独裁的になってしまう傾向があります。これは、過去の自分を抹殺する行為なんです。そして、マインドの中で、過去の自分を抹殺し、今の自分を正当化しようとしてしまう。すると、自分が自分でなくなってしまう。理想や正義をみずから破壊してしまうんです。そして、自分を見失ってしまう。「理想」や「正義」というコインの裏側には、こんな罠があります。

「ミイラ取りがミイラになってしまう」そんな笑えないパラドックスが起こることも多々あります。歴史を見ると、天下を取った人が一緒に天下取りをした仲間、部下を追放する例は至るところに出てきます。

前回、ドラマのあるシーンで、乗っ取った小野寺という登場人物が主人公に

「あ、それとな、俺をあんまり嫌うな」

という場面があるんですが、ここにリーダーの悲哀、孤独さが表現されています。


こういった感情の法則に従えば、登場人物の小野寺は、前理事長と同じ苦しみを味わうことになります。

「ああはならないと思ったのに、ああなってしまった・・・」

そんなパラドックスもこの法則から生まれます。

小野寺のバックグラウンドとして、興味深いのは、彼の父親が銀行の不祥事の責任を押し付けられて辞めされられたという設定でしょう。そこに小野寺は怒りをもっています。「正義」というのは、潜在意識下では、何かへの怒り、復讐が含まれていることが多く、(「世直し」というコンセプトが入った活動には、たいていこれが含まれますが)、それが「気がついたときには、人生が望む方向とは違った方向に来てしまった」と思うに至る共通項です。

私が好きな本に、本田健さんの「ユダヤ人大富豪の教え」という本がありますが、その中で、大富豪のゲラーさんが主人公に向かって「理想を持つ人」についてこんなふうに語っている場面があったと思います。


「君は理想を持っているから、いつかきっと、世の中に絶望するときが来るだろう」


理想という光を持つと、絶望という闇も強くなる。私は仕事を通して、いろんな人の人生を通して、そんな法則を教えてもらいました。

「それをわかった上で、理想を追求するとしたらどうしたらいいんだろう?」

色々な事例を調べた結果、そんな疑問を持っていました。今でも、「こうすれば100%、この罠を回避できる」という答えはわかっていませんし、そんなものもないのかもしれませんが、少しだけわかったことがあります。


それは、理想を持ちつつも、自分が思っている理想の世界とは違う理想の世界がある、幸せの形にも色々な形がある、そんな多様性を受け入れることです。


人は理想を持つと、「自分はいいことをしている」と思いがちになります。すると共感してくれない人、協力してくれない人、興味を持ってくれない人、違う形の理想、正義を持っている人に対して、批判的になりやすい。宗教戦争はその典型例です。

「私は正しいんだ」という自己価値証明の罠にはまってしまうからなんですが、それを手放して、生き方へのありとあらゆる判断を手放して、すべての人の価値観を対等に認めながら、自分の人生を生る、そんな生き方が、この罠を越える方法かもしれないと思っています。


その鍵になるのが「謙虚さ」です。理想を追い求めていると、ついつい自分がよいことをしている気分になるし、そうなると自分は正しいという気持ちにもなります。仮に、自分がそんな気持ちにならなくても、周りの人に、そんなふうに感じさせてしまいます。これは感情の法則です。


すると、自分に悪気はなくても「あの人は正しい人で、立派な人だけど、私はそうじゃない」そんなふうに感じさせてしまう。これが、ドラマの主人公、健司の奥さんが家を出て行った理由でしょう。


家族関係、パートナーシップは自分がまだ気付いていない問題の予兆を一番早く教えてくれる人たち。周りの人間関係にこういう感情の力学が働くことに心を配り、周りの人がそんな態度や発言をしたときには、「もしかしたら、自分の心の中で、そんなふうに思っている部分があるのかもしれない」と謙虚に受け止めることは、自分のためにも、家族や周りにいる人たちのためにも、本当に大切です。


「パートナーの言葉に耳を傾けよう」

これは私が教えてもらったことでもあるし、多くの人に伝えた言葉です。


「アメリカの大富豪の92%が離婚経験がなく、パートナーの存在が自分の成功の鍵だと思っている」

そんなデータがありますが、その心理的な背景にはこういう力学があるんでしょうね。


監査法人は今日が最終回ですが、主人公、健司の人生、そして奥さんや子供との関係がどのような展開で描かれるのか、とても楽しみです。

投稿者 yoshi : 2008年07月19日 11:37

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://1style.sakura.ne.jp/cgi/mt-tb.cgi/919


コメント

コメントしてください




保存しますか?