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2005年07月07日

臨床心理士とカウンセラー「臨床心理士及び医療心理師法案要綱骨子」

今年に入って、臨床心理士の国家資格化のニュースがいくつか流れていますが、それに関して、カウンセラーを目指されている方から、「カウンセラーという仕事が臨床心理士しかできなくなるのでしょうか?」という質問を多数頂いていますので、ご説明したいと思います。

7月5日に「臨床心理士及び医療心理師法案要綱骨子」が発表されました。日本には「カウンセラー」という国家資格はなく、それが利用者の立場に立ったときに、「何を基準にしてカウンセラーを選んでいいのかわからない」という不安になっていました。


そこで、今回の法案は、日本におけるメンタルケアーの促進を目指し、臨床心理士という日本で一番権威のある認定資格を国家資格に格上げし、医療の現場で心理的な問題の解決にあたる医療心理士という資格を新しく作ることによって、カバーしようという動きです。

この説明を聞いた方の中には、「だとしたら、カウンセリングという業務自体が国家資格がないとできなくなるのでは?」「大学院までいかないとカウンセラーになれなくなるのか?」と不安を感じた方もいらっしゃると思います。私も臨床心理士の資格を持っていないので注目していました。

結論から言うと、現時点では、今回の法案はそのような種類のものではないようです。ですから、すでに民間のスクールで学ばれている方や資格を取得された方、今から入学しようとされている方が、突然、カウンセラーとして活動できなくなるわけではありません。
どういうことかというと、国家資格の法案には2種類の考え方あり、1つは「名称独占」という考え方です。そして、もう1つは「業務独占」という考え方です。名称独占は、この法案の場合、臨床心理士及び医療心理士の資格を得たものでないと、その名称を名乗れないというものです。一方、業務独占というのは、カウンセリングやセラピーという業務自体が、資格を持っていないと行えないという内容です。
そして、現在のところ、この法案は名称独占タイプで、業務独占タイプではないようです。ですので、民間のカウンセラー養成スクールで学び、実力をつけた方が、カウンセリング業務を行えなくなるわけではないようです。

今後の予定では、法案の策定作業に入り、国会で可決されれば、来年4月1日から施行される予定のようです。

また、詳しい情報がわかり次第、みなさんにもお伝えしたいと思います。


▼以下、「臨床心理士及び医療心理師法案要綱骨子」

全心協のホームページより転載

07/05/2005
臨床心理士及び医療心理師法案要綱骨子
(2005.7.5議員連盟合同総会にて 承認)

7月5日午前10時より憲政記念館にて「医療心理師(仮称)国家資格法を目指す議員の会」と「臨床心理士職の国家資格化を通じ国民の心のケアの充実を目指す議員懇談会」の合同総会が開催されました。国家資格に関する議員立法について検討され、以下の要綱が承認されました。今後、法案の策定作業に入り、今通常国会に上程を目指します。


第一 総則
一 目的
 この法律は、臨床心理士及び医療心理師の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるように規律し、もって国民の心の健康の確保に寄与することを目的とすること。
二 定義
1 この法律において「臨床心理士」とは、第二の二1の登録を受け、臨床心理士の名称を用いて、教育、保健医療、福祉その他の分野において、心理的な問題を有する者の心理的な問題の解消又は軽減を図るため、臨床心理学に関する高度の専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいうこと。
① 心理的な問題を有する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。
② 心理的な問題を有する者に対し、その心理に関する相談に応じ、及び助言、指導その他の援助を行うこと。
③ 心理的な問題を有する者の関係者に対し、その相談に応じ、及び助言、指導その他の援助を行うこと。
2 この法律において「医療心理師」とは、第三の二1の登録を受け、医療心理師の名称を用いて、医師が傷病者(治療、疾病の予防のための措置又はリハビリテーションを受ける者であって、精神の状態の維持又は改善が必要なものをいう。以下同じ。)に対し医療を提供する場合において、当該傷病者の精神の状態の維持又は改善に資するため、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいうこと。
① 傷病者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。
② 傷病者に対し、その心理に関する相談に応じ、及び助言、指導その他の援助を行うこと。
③ 傷病者の関係者に対し、その相談に応じ、及び助言、指導その他の援助を行うこと。

第二 臨床心理士
一 臨床心理士試験
1 資格
 臨床心理士試験(以下一において「試験」という。)に合格した者は、臨床心理士となる資格を有すること。
2 試験
 試験は、臨床心理士として必要な知識及び技能について、主務大臣が行うこと。
3 受験資格
 試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ受けることができないこと。
① 学校教育法に基づく大学(短期大学を除く。)において主務大臣の指定する心理学等に関する科目を修め、かつ、同法に基づく大学院において主務大臣の指定する臨床心理学等に関する科目を修め、当該大学院の修士課程(博士課程のうち、修士課程として取り扱われる課程を含む。)、博士課程(修士課程として取り扱われる課程を除く。)又は専門職学位課程(同法第65条第2項の専門職大学院の課程をいう。)を修了した者
② 主務大臣が①に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めた者
4 指定試験機関の指定
 主務大臣は、主務省令で定めるところにより、その指定する者に試験の実施に関する事務を行わせることができること。
二 登録
1 登録
 臨床心理士となる資格を有する者が臨床心理士となるには、臨床心理士登録簿に、氏名その他主務省令で定める事項の登録を受けなければならないこと。
2 登録の取消し等
 主務大臣は、臨床心理士が第四の一1、2又は3②に違反したときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて臨床心理士の名称の使用の停止を命ずることができること。
3 指定登録機関の指定
 主務大臣は、主務省令で定めるところにより、その指定する者に臨床心理士の登録の実施に関する事務を行わせることができること。

第三 医療心理師
一 医療心理師試験
1 資格
 医療心理師試験(以下一において「試験」という。)に合格した者は、医療心理師となる資格を有すること。
2 試験
 試験は、医療心理師として必要な知識及び技能について、厚生労働大臣が行うこと。
3 受験資格
 試験は、学校教育法に基づく大学(短期大学を除く。)において主務大臣の指定する心理学等に関する科目を修めて卒業した者でなければ受けることができないこと。
4 指定試験機関の指定
 厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、その指定する者に試験の実施に関する事務を行わせることができること。
二 登録
1 登録
 医療心理師となる資格を有する者が医療心理師となるには、医療心理師登録簿に、氏名その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければならないこと。
2 登録の取消し等
 厚生労働大臣は、医療心理師が第四の一1、2又は3④に違反したときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて医療心理師の名称の使用の停止を命ずることができること。
3 指定登録機関の指定
 厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、その指定する者に医療心理師の登録の実施に関する事務を行わせることができること。

第四 補則
一 臨床心理士及び医療心理師の義務
1 信用失墜行為の禁止
 臨床心理士又は医療心理師は、それぞれ臨床心理士又は医療心理師の信用を傷つけるような行為をしてはならないこと。
2 秘密保持義務
 臨床心理士又は医療心理師は、正当の理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならないこと。臨床心理士又は医療心理師でなくなった後においても、同様とすること。
3 関係者との連携等
① 臨床心理士は、その業務を行うに当たっては、教員、医師その他の関係者との連携を保たなければならないこと。
② 臨床心理士は、病院、診療所その他の主務省令で定める医療提供施設において、医師が医療を提供する傷病者に関してその業務を行うに当たっては、医師の指示を受けなければならないこと。
③ 医療心理師は、その業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との緊密な連携を図り、適正な医療の確保に資するよう努めなければならないこと。
④ 医療心理師は、その業務を行うに当たっては、医師の指示を受けなければならないこと。
4 資質向上の責務
 臨床心理士又は医療心理師は、常に、その業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させ、その他その資質の向上を図るよう努めなければならないこと。
二 名称の使用制限
1 臨床心理士でない者は、臨床心理士の名称を使用してはならないこと。
2 医療心理師でない者は、医療心理師の名称を使用してはならないこと。
三 主務大臣及び主務省令
 この法律において、主務大臣は文部科学大臣及び厚生労働大臣とし、主務省令は文部科学省令・厚生労働省令とすること。

第五 罰則
 秘密保持義務違反、名称の使用制限違反等について所要の罰則を設けること。

第六 施行期日その他
一 施行期日
 この法律は、平成18年4月1日から施行すること。(一部のものは別途)
二 経過措置
1 臨床心理士
① この法律の施行の際現に大学院に在学している者で、この法律の施行後大学院において主務大臣が定める必要な科目を修め、大学院の修士課程(博士課程のうち、修士課程として取り扱われる課程を含む。)、博士課程(修士課程として取り扱われる課程を除く。)又は専門職学位課程(学校教育法第65条第2項の専門職大学院の課程をいう。)を修了した者等は、第二の一3にかかわらず、臨床心理士試験を受けることができること。
② この法律の施行の際現に第一の二1①から③までに掲げる行為を業として行っている者等であって、主務大臣が定める要件に該当するものは、この法律の施行後5年間は、第二の一3にかかわらず、臨床心理士試験を受けることができること。
③ ②に規定する者については、主務省令で定めるところにより、試験の一部を免除することができること。
2 医療心理師
① この法律の施行の際現に病院、診療所その他厚生労働省令で定める施設において第一の二2①から③までに掲げる行為を業として行っている者その他その者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者であって、次のいずれにも該当するに至ったものは、この法律の施行後5年間は、第三の一3にかかわらず、医療心理師試験を受けることができること。
イ 厚生労働大臣が指定した講習会の課程を修了した者
ロ 病院、診療所その他厚生労働省令で定める施設において、第一の二2①から③まで掲げる行為を5年以上業として行った者
② ①に規定する者については、厚生労働省令で定めるところにより、試験の一部を免除することができること。

投稿者 yoshi : 2005年07月07日 16:27

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コメント

某専門学校からカウンセリング講座を受講しませんか?の勧誘を受けました。うちの講座は内容も充実していて、内閣府の認証を得ているので、そのうちに国家資格になると思います。という内容でした。医療心理士と臨床心理士の国家資格のことがはっきり決まっていないので、結局受講するのは見送りました。内閣府が認証している講座というのは、将来的に国家資格になるほど信頼性の高いものなのか私にはわかりませんでした。いまも迷っています。どこかの大学で心理学を勉強するほうが無難でしょうかねえ?

投稿者 とさ ゆりえ : 2005年07月19日 23:05

とさ ゆりえさん、こんばんは。北端です。
資格を目指されるなら、大学で勉強するのがいいです。今、話題になっているのは、臨床心理士と医療心理士だけなので、それ以外の資格が国家資格なるかどうかはまったく不明ですからね。
もう一つ、カウンセラーの仕事を目指されるなら、大切なことは、臨床心理士の資格をすでに持っている方でも仕事に困っている人がいるという現実です。この仕事は資格=仕事にはなりません。そういったことを踏まえて、進路を決めることをお奨めします。
資格や知識も大切ですが、それ以上に大切なのは「臨床経験」です。私が今カウンセラーとして活動できるのも、膨大な臨床経験をつませてもらえたからです。資格よりも、授業内容をしっかりと吟味して、生の臨床経験を詰めるかどうか確認してください。
臨床経験や実習といっても、単に生徒同士がロールプレイをするシュミレーションの場合もあります。これでは、臨床経験となりません。その辺りも含めて、いろいろ調べられて、ご自身が納得いくスクールを選ばれればと思います。
参考になれば幸いです。

投稿者 北端 : 2005年07月22日 22:55

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